株式投資における移動平均線の使い方③クロスとモメンタムをマスター

株式投資における移動平均線の使い方③クロスとモメンタムをマスター

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今回の記事は移動平均線についての記事③になります。

今までの記事で「移動平均線の知っておくべき期間設定」「株価と移動平均線の関係」についてお話してきましたが、今回は「移動平均線のクロスとモメンタム」についてお話していきたいと思います。

2本以上のクロスと長期線のモメンタム

1つめに紹介する使用法が、2本以上の移動平均線を使用したクロスによる分析方法です。

移動平均線のクロスを利用した売買システムは古くから利用されていますが、現代のトップトレーダーの中にもいまだに「最高のシステムの1つ」と評するトレーダーも存在するほど、シンプルかつ強力な使用法になります。

2つめに紹介する使用方が、長期移動平均線のモメンタムを見ることによって、長期トレンドの強さを判断する方法になります。

投資スパンにかかわらず、長期トレンドの向きを把握することは、取引の勝率を上げるために必要不可欠となります。

モメンタムを見るといっても、実行する分析はすごくシンプルなものになりますので、個人投資家のツールでも十分に取引に活用することができるでしょう。

移動平均線のクロスによるテクニカル分析

移動平均線のみを使用したテクニカル分析の中で最もポピュラーであるのが、期間の異なる2本以上の移動平均線のクロスを利用した分析手法です。

これは、短期間の移動平均線がより長期間の移動平均線を上抜け(ゴールデンクロス)したり、下抜け(デッドクロス)したりする動きから、売買戦略を構築しようとする手法になります。

短期間の移動平均線が長期間の移動平均線とクロスするということは、直近の株価が上または下の方向に推移したということを表すため、そのクロスを売買シグナルとして利用することで、トレンドの方向に沿った売買が可能となるでしょう。

また、「短期の移動平均線が長期の移動平均線の上にある状態(または下にある状態)」を銘柄選びの基準とするなど、銘柄選びのフィルターとして使用する手法も存在します。

2本の移動平均線を使用した分析

単純に期間の異なる移動平均線を2本使用した分析手法になります。一般的な期間設定としては「5日線と25日線」「25日線と75日線」「75日線と200日線」の組み合わせが使用されることが多いです。

この分析では、短期線が長期線を上抜くゴールデンクロスが発生したら、上昇トレンドと判断して買い有利。短期線が長期線を下抜くデッドクロスが発生したら、下降トレンドと判断して売り有利という分析が可能です。

しかし、2本の移動平均線を使用した分析方法では、移動平均線が苦手とする「横ばい相場」を見抜くことができません。

一般的に相場に上昇・下降の明確なトレンドが発生している状況は全期間の30%程度と言われているため、この分析手法では頻繁に株価変動のちゃぶ付きによって損失を出してしまうことが予想されます。

この問題点を解決する1つの手段として、次に解説する3本の移動平均線を使用した分析手法が挙げられます。

3本の移動平均線を使用した分析

2本の移動平均線では判定することのできない横ばい相場に対応するために、短期・中期・長期の3本の移動平均線を使用した分析手法が存在します。一般的な期間設定としては「5日線と25日線と75日線」と「25日線と75日線と200日線」という2つのパターンが使用されることが多いです。

具体的には、株価が長期移動平均線の上にいるときはゴールデンクロスのみ、長期移動平均線の下にいるときはデッドクロスのみを売買シグナルとして採用するという手法です。

2本の移動平均線のクロスによって売買判定を行う点は2本の移動平均線を使用した分析と同じなのですが、こちらはより期間の長い3本目の移動平均線をフィルターとして使用することによって、横ばい相場におけるちゃぶ付きを回避することができると考えられています。

また、3本の移動平均線が「短期>中期>長期」の順に並んでいるときのみ買いエントリー(売りの場合は逆)するという条件にすれば、2本の移動平均線を用いた時よりも精度の高いフィルターとして機能させることが可能になります。

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最近の研究結果(シグナルかフィルターか)

移動平均線を使用した売買戦略の歴史は古く、シンプルでどの商品にも適応しやすいことから、多くの専門家によって移動平均線を使用したシステムが検証されています。

その中でも、チャールズ・ルボー、デビット・W・ルーカスの「マーケットのテクニカル秘録」(Pan Rolling 2003)とラーズ・ケストナーの「トレーディングシステム徹底比較」(Pan Rolling 2000)で行われている検証の結果には注目する価値があるでしょう。

ケストナーは文献のなかで「10日移動平均線と40日移動平均線」のクロスを用いて、約14年間の為替、商品、株価指数について検証を行いました。

そして、2本の移動平均線のクロスを用いた単純な売買システムはここ数年のマーケットにおいて成績が悪化していることが検証の結果明らかになったのです。

これはおそらく、近年発達してきたアルゴリズム取引の影響だと考えられ、移動平均線がクロスした時に仕掛けるという古典的な売買シグナルの優位性が失われてきたことを意味していると考えられます。

また、「マーケットのテクニカル秘録」では移動平均線のゴールデンクロスが発生した後、株価が直近の高値を上回るまで買いエントリーを見送ることで、売買システムの向上が期待できる可能性について言及されています。

以上のことから、アルゴリズム取引が発達した現代においては、移動平均線のクロスを売買シグナルとするよりも、短期・中期・長期の移動平均線の位置関係から株価のトレンドを判定するフィルターとして使用する方が有効だと考えられます。

長期移動平均線のモメンタムを見る

最後に長期移動平均線のモメンタムを見ることによって、長期トレンドの強さを見極める方法をご紹介します。

短期トレードにおいては、75日移動平均線200日移動平均線は算出期間が長いため、売買シグナルを抽出するよりもモメンタムを捉えるフィルターとして用いられることが多くなります。

このフィルターとしての機能ですが、この働きを強化するために「長期移動平均線が位置する価格をn日前のものと比較する」という分析を行ってみると良いでしょう。

移動平均線の分析では、株価や他の移動平均線との位置関係だけでなく、移動平均線自体の向きというのも重要な要素です。

特に四半期ごとのトレンドをあらわしている75日移動平均線や、約1年間のトレンドを表す200日移動平均線のモメンタムは、短期や中期のトレーダーにとっても大きな意味をもちます。

一般的には長期移動平均線の1ヶ月間の強さを判断するために、「20日前の価格」と比較して使用するケースが多いです。

移動平均線のまとめ

今まで3つの記事にわたって移動平均線を解説してきましたが、ここで移動平均線について今まで解説したことをまとめておきたいと思います。

【パラメーターと概要】

・移動平均線は過去一定期間における終値の平均値をとったものである。

・移動平均線の設定期間のうち一般的なものとしては「1週間(5日)」「1ヶ月(25日)」「3ヶ月(75日)」「1年(200日)」の4種類が挙げられる。

【株価と移動平均線の関係】

・移動平均線は支持線抵抗線となることがある。

・株価が移動平均線から大きく乖離すると、移動平均線に戻ろうとする力が働く。

 

【移動平均線のみを用いた分析】

2本以上の移動平均線のクロスによって、株価のトレンドが判定できる。

・最近の研究から、移動平均線のクロスは売買タイミングを見極めるより、株価トレンドを判断するフィルターとして使用した方が良い。

・移動平均線の位置する価格を過去のものと比べることで、株価の長期トレンドの強さがわかる。

以上で移動平均線に関する解説を終わりたいと思います。

「終値の平均値」という単純な指標でありながら、その使用方法はとても奥が深いということがわかっていただけましたでしょうか?

これからも皆さんが実際の相場で活用できるノウハウをたくさん発信していきたいと考えておりますので、よろしければフォローの方お願いいたします!

それでは、また!

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